国による地中化計画

電線類の地中化は、昭和61年度より建設省が5箇年計画を作成し、全国で実施しています。また、それ以前から電線管理者が独自に地中化を行ってきました。

電線地中化計画の実績及び計画

第一期電線類地中化計画
通達機関 キャブシステム研究委員会
地中化の考え方 「架空設備輻輳化の解消及び社会公衆安全の確保」
地中化方式 「キャブ方式」「単独地中化方式」
地中化の範囲 大都市中心部の主要道路
当初計画では、10年間で1,000km程度でしたが、大幅に前倒しされ5年間で達成されています。また、この時初めてキャブ方式が採用されています。

地中化政策が始まった当初は、架空設備輻輳化が大きな問題でした。架上条数の増加に伴い電柱の設計荷重をこえてしまうというものです。第一期電線類地中化計画の通達機関である「キャブシステム研究委員会」は、建設省において電線類の地中化を円滑に推進するため、道路局長の諮問機関として設置されました。関係省庁と電線管理者等により組織され、地中化の進め方が議論されました。新しく採用されたキャブ方式は、大都市の中心部に建設されましたが、法令等の整備がなく建設コストも高いということもあり、現在ではあまり採用されていないようです。


第二期電線類地中化計画
通達機関 電線類地中化推進検討会議
地中化の考え方 「安全で快適な通行空間の確保、都市景観の向上」
地中化方式 「キャブ方式」「単独管路方式」「自治体管路方式」
地中化の範囲 1)大都市中心部の主要道路
2)先行的地中化実施箇所
3)1又は2以外の地域で特に地中化の必要性の高い地域
当初計画では、5年間で1,000km程度でしたが、平成5年4月の新総合経済対策により1年間前倒しを決め実施しました。
この時採用された「自治体管路方式」は、自治省の起債事業(都市生活環境整備特別対策事業)として実施されました。その位置づけは、地方自治体の行政財産であり道路占用物となっていますので、国道での実施は不可能です。

平成3年頃になると、ニュータウン等において、都市景観の観点から地中化の社会ニーズが高まってきます。 それを受けて、建設省が「電線類地中化推進検討会議」を設置しました。建設省、通産省資源エネルギー庁、郵政省、警察庁、電力会社、NTTが参加し、地中化推進の為の事業者の負担を軽減する方策について協議しています。新しく採用された自治体管路方式は、キャブに比べて電線管理者の負担が安価でしたので、地方都市での地中化に採用されました。


第三期電線類地中化計画
通達機関 電線類地中化推進検討会議
地中化の考え方  「安全で快適な通行空間の確保、都市災害の防止、情報通信ネットワークの信頼性の向上、都市景観の向上」
地中化方式 「電線共同溝(CCBOX)方式」「単独管路方式」「自治体管路方式」
地中化の範囲 1)大都市中心部の主要道路
2)先行的地中化実施箇所
3)1又は2以外の地域で特に地中化の必要性の高い地域 (一部追加)
当初計画では、5年間で2,000km程度でしたが、地中化に対する社会ニーズの変化に対応するため、計画の見直しを行った結果、1年間の前倒しを決め、4年間で1,400kmの地中化を達成しました。また、この時初めて「電線共同溝(CCBOX)方式」が採用されました。それに伴い、平成7年3月に「電線共同溝の整備等に関する特別措置法」が制定され、整備道路の指定、建設、国庫補助制度、管理等が規制されています。CCBOX方式は道路付属物という位置付けである為、自治体の管理上も自治体管路方式よりも有利なので、地中化は殆どこの方式で実施されるようになりました。

第三期電線類地中化計画が始まる平成7年3月に制定された「電線共同溝の整備等に関する特別措置法」により、地中化はCCBOXの時代を迎えます。法令が整備されることで、キャブ方式や自治体管路方式と比べて、工費や管理等が安価に行え、自治体もCCBOXを多く採用するようになりました。
高度情報化の時代を迎えると、そのインフラである情報通信ネットワークの信頼性を求める声が高まります。また阪神淡路大震災の経験をふまえ、都市災害の防止、来る高齢化社会に向けて安全な歩行空間の確保等々、価値観の高度化・多様化の中で、ますます電線類の地中化の社会的ニーズが高まっています。


新電線類地中化計画(第四期) 
通達機関 電線類地中化推進検討会議
地中化の考え方 「安全で快適な通行空間の確保、都市景観の向上、都市災害の防止、情報通信ネットワークの信頼性の向上、地域活性化等」
地中化方式 「電線共同溝(CCBOX)方式」「自治体管路方式」「単独地中化方式」
地中化の範囲 1)大都市中心部の主要道路
2)先行的地中化実施箇所
3)中規模程度の商業系地域や、住居系地域における幹線道路なども追加
当初7年間で3,000kmを計画していました。ところが、平成11年11月に策定された「経済新生対策」の中で、電線類地中化約3,000kmを平成15年度までに実施すると盛り込まれたため、新計画の実施規模もそれに合わせて5年間で3,000kmに変更しましたが、実績は2,100kmにとどまりました。

地中化への社会ニーズがさらに強まっている状況の中で、新計画では中規模程度の商業系地域や住居系地域へ対象地域の拡大を決めています。新計画以前は、機器設置スペース等を考慮して、歩道幅員3.5m以上の道路が前提とされていました。そこで、歩道幅員2.5m程度の狭い歩道に対応していくため、コンパクト化した新構造のCCBOXを採用することとしています。また、CCBOX方式にとらわれず、地域実態・道路状況に合わせて「柔軟な整備手法」の採用が盛り込まれ、そういった地中化方式を「ソフト地中化」と呼んでいます。 新計画では、道路管理者、電線管理者及び地元関係者(地方公用団体・地域住民)が三位一体となった密接な協力の下に進めていくこととなり、その為の連絡会議を設置し、費用分担や施工方法等を協議して進めました。